同じ授業を聞いていても、理解する機会は同じだろうか
UPMI Labの生成AIによる概念画像。実際の現場写真ではありません。画像内の文字は原版の韓国語を含みます。

教室では全員が同じ説明を聞いていても、同じ速さで理解するわけではない。聞き慣れない用語を調べているうちに次の内容を聞き逃す学生もいれば、留学生のように概念の理解と言葉の解釈を同時に進める学生もいる。質問しようとした瞬間には、授業が次のスライドに進んでいることもある。

教員がゆっくり話したり資料を配ったりするだけで、この違いをすべて解消するのは難しい。一人の説明は多くの学生に向けられるが、理解に必要な支援は一人ひとり異なる。UPMIのAI授業アシスタントは、現場で自作したツールでその隔たりを縮めようとする試みだ。

機能がそろっても、授業の流れはつながらなかった

翻訳、電子黒板、チャットのサービスはすでにある。しかし教員がそれぞれを行き来し、授業資料と結び付け、学生に使い方を説明しなければならないなら、支援ツールがかえって集中を妨げかねない。

説明中に思い付いた事例を写真で示したい、手が使いにくいときに次のスライドへ進みたいという要望も同じ問題につながる。必要なのは長い機能一覧より、説明と資料、学生の質問が一つの流れの中で続く環境だ。

教員が利用者から設計者へ

この事例では、AIエージェントを使って教員用と学生用の画面を分けた。教員が操作するスライドと板書を学生の端末へリアルタイムで送り、学生は自分の画面で翻訳字幕や質問機能を使う構成にした。

字幕は音声をそのまま文字にするだけではない。Whisperの認識結果に用語集を適用して専門用語を補正し、ローカルモデルで話し言葉を読みやすい文に整える。一時的に発話が途切れたときは続きを待つ処理も加えた。ただし、話していない内容を補うことは文章の整理とは異なるため、数字、単位、否定表現などを確かめる必要がある。

韓国語に加え、英語、中国語簡体字、日本語、ベトナム語、ミャンマー語、ロシア語への翻訳を支援するように作った。学生は必要な言語を選び、分からない点は教員の公開授業資料を根拠に回答するAIアシスタントに質問できる。回答に資料の該当箇所を示し、原文に戻れるようにした点も重要だ。

教員の説明を、一人ひとりの学習につなげる

音声でスライドを進める機能は、初期の発表ツールで実装した。音声による画像ポップアップと統合授業画面の接続は機能ごとに実装段階が異なり、すべてを一つの環境で検証し終えたとはいえない。AirPodsなど端末が入力装置として認識するマイクを利用できるが、教室の騒音や同時接続数に応じた確認も残っている。

ローカルモデルを使えば、音声処理と翻訳を自ら運用できる。ただし応答速度や精度は、機器、モデル、言語、教室環境によって変わる。字幕を授業後の資料として渡す場合も教員の確認が必要だ。学習効果が統計的に実証された段階ではない。

この試みの意味は、一人の教員が自分の授業に合う支援体制を自ら作ったことにある。完成品に授業を合わせる関係から、授業の必要に応じてツールを変える関係への移行だ。AIが教員を代替するというより、一人の教員が学生ごとの理解の速さに応じられる範囲を広げる試みといえる。

実装資料授業画面と実装範囲を見る(韓国語) →
資料・出典

UPMI Labで公開した制作・運用記録に基づいて構成しました。UPMI LabとNew Epoch Journalは、いずれもUPMI Co., Ltd.が運営しています。

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